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鏡界の白雪 心条無月 感想 [鏡界の白雪]

3ルート終わりました。
うん、うまく言えないけど、もう大丈夫そう。

私このゲーム、最後まで楽しめそう。

リアリティとかそういうの全くないし(もう考えるだけナンセンスです)、完全なるファンタジーなのだけれども、恋におちていく描写がとってもナチュラルで素敵。

恋愛描写に、お互いの距離の近づき方に、また逆にその関係性の壊れ方に、末白ちゃんの気持ちこそにリアリティがあるからこその楽しさですね。

それぞれのテーマは自体はシンプルで解りやすく、個人的には、そういう意味でキャラの闇を売ってる作品ではないかな?とは思いました。(個人的な感覚ですが)ホラ……月華なんちゃらロマンスとかさ、そういうやつ……(笑)

フォロワーさんが確かおっしゃってたのですが、この作品、大なり小なりキャラクター差はあれど、どこにでもあるような苦しみや痛みを、フィクションとして面白くなるように、膨らませて描いてあるような気がします。

物語自体にリアリティはなく、彼らが抱える痛みや苦しみはかなり過剰演出気味にプレイヤーには映ります。

でも、それらを通して、どの部分を、どのルートを、どのキャラクターをどう解釈し、受け止めるかをプレイヤーに委ねている。どんな感想をもたれても、それを作品側が許容している、そんな作品かなあと漠然と思います。
だから、心にいい意味でも悪い意味でもひっかかるポイントとか、思わず苦笑いしちゃったり、共感しちゃったりするポイントが、だいぶ人によって変わりそう。

かなりプレイヤーの人生経験であったり、今おかれてる境遇であったり、自分のそれこそ他人に知られたくない内面であったり、そういうものに左右される作品ですね。

この辺りにどこか「絵本」的なコンセプトを感じられて、好みですね。


それにしても、無月さん。

予想外の萌えをありがとう……。


それでは、心条無月。
ネタバレ感想です。












☆鏡界の世界に閉じ込められたのは「無」という感情

感情がない、感情が乏しい。
そう描かれてはいるものの、個人的な見方としては「何も感じられない」という感情もひとつの感情として、描かれているような気がしましたね。
何も感じないというのもひとつの反応であって、それをこの物語では悪とはしていません。

ただ、無月自身が感情というものに強い憧れがある。
それが示されているのが、恋い慕うことを示す二の腕への噛みつき、に表現されているのでしょうかね。
彼が本当に心から欲していたのは、自らの心の動きから発露する感情です。

感情を理解することではなく、感情をもちたかった。
だからこそ、その心の動きをくれる末白ちゃんを、暗闇の中でまさぐるようにして手繰り寄せようとするわけですね。でも、なんだろうか、うまく説明できるかどうかがわからないのですが、この「感情を理解することではなく、感情をもつこと」を目指したことが、このルートの肝のような気がするんですよね。

むしろ、無月は感情を完璧に理解していたわけです。
どうすれば人は泣くのか、どうすれば人は笑うのか、どうすれば人は怒るのか、喜ぶのか。
演技派俳優なんですもんね。
そこが無月と恋愛する上で大きな落とし穴になっていくのがこのルートの醍醐味かな、と思いました。

果たして、感情のない人間が、演技派俳優としてここまで成功できるのか、という疑問はもちろんありますが、そんなことフィクションで言い出したらキリがねえ!
面白ければいいんだ!!
という体で、次へ進みます。


☆感情を理解しない役者

生きていくために身につけた「喜怒哀楽」の演技は仮面のように取り換えられるものだった。
それは手段であって、彼の望みではありません。
もしかしたら、母親が「人形のようだ」と突き放さず、彼を認め、愛情を与えていたのなら、彼は役者になっていないかもしれませんね。

感情をもてないのに、的確な演技が出来るというのは、ある意味でスーパーコンピューターのようなものです。
与えられたシチュエーションと提示されたディレクションで、こんな感じだろうとアタリをつけて適切な演技をはじきだし、その芝居にはめ込む。
それは、もって生まれた才能というより、磨かれた技術性の高さ、といった方がいいかもしれませんね。

すごく乱暴な言い方をしますが、人生とは結果的に何がプラスに働くかわからないものです。
彼は母親に拒絶されたからこそ、演技力という華を開かせ、自立した一人の男性として生きていける術を身につけた。
それを幸とするのか、不幸とみるのかはかなりプレイヤーの主観によって違うでしょう。

ただ、どちらにせよそこには彼の虚しさが内包されている。
その虚しさがあの「冷たい目」をする描写に凝縮されている。
描写が出てくるタイミングが、なかなかにぞっとさせられましたね。
あっという間に心が冷える、という、その表現方法がぴったりなような。
ものすごくあったかい、いいシーン、台詞の後にすっと入ってくる一文。無音。
その演出は素晴らしく、彼の内面をとても解りやすく表現していたように思います。

オネエ口調と、男口調と、無感情な顔。
3つを駆使して展開される彼の技術的な「コミュニケーション」と、その中に垣間見える本音。
エンターテインメントとして、それを体感できる楽しさったらなかったですね。


☆喪失感で色づく彼の世界

このルートでの決定的な出来事は、無月が息をするように容易く、約束を破るシーンです。

あのシーンはかなり、応えるものがあります。
絶望を感じさせる。
ここまで積み上げてきたいろんな想い出があるからこそ、苦しい。
一緒にケーキを食べる時、ステンドグラスを作った時、絵本を作った時、相合傘を差した時。
なにもかもが、無駄だったような気さえ、するんです。

しかもそのどれもが、正の感情を揺り起こすイベントだったんですよね。
それに比例するようにして、彼が少しずつ精神的に成熟していたのも確かなんです。(それを単にキャラクターを変化させることよりも、俳優としての人気が上がることと鏡界の彼で間接的に表現しているのも好みだった)

だからこその圧倒的なヒロインの無力感。
この突き落とし方はお話としては素晴らしい。

ここの無月って、とっても無防備ですよね。
きっと深い付き合いをしなければ他人には気づかれることのない彼の抱える「問題」。
そのためにも一生懸命演技をして生きてきた彼が、末白ちゃんに対してあっさり見せる素の反応なわけです。
個人的には末白ちゃんとの付き合いの中で少しずつ感情が芽生えてきて「もう人形じゃないかも」という自覚があるからこその驕りでもあったような気もしましたね。

間違えたということすら、気づけない。
彼女の立場に立てた時には、もう遅い。

「悲しみ」という感情を発露させるには末白の喪失というイベントがくることは自明でしたが、彼女が鏡界側へ閉じこもるというあの展開は読めなかったな。
相変わらず超展開だwwwww
でも女王様が素敵なので、もうなんでもいい。


☆ルートによって違う罪罰がもたらす結果

どの子もかなり内面的な話なので、多かれ少なかれデリケートなお話であるのは確か。
中でも、無月はたくさんの萌えをくれましたが、テーマとして広げたものがなかなかに大きかったので、エンドが簡単にまとまってしまった感じは否めなかったですね。

人の感情を読み解こうなんて、そりゃあもう壮大すぎる。
だからこそ、鏡界世界というファンタジーに落とし込んであるんでしょうね。
むっちゃ話の舵強引にきっていくけどもwwww

ただ、作りとして面白かったのは、彼のハッピーエンドを迎えるためには適度に「二の腕を噛ませる」ことが必須だったところ。
彼を救うためには、感情を分け与えることが条件でした。
鏡界にとらわれすぎてもだめ。でも、鏡界の彼の要望に応えてあげることも必要なんです。

意味のない選択肢が多いゲームが多い中、ちゃんとキャラクターの方向性を汲んで攻略しないといけないところはとっても好感が持てましたね。

無月は個人的に鏡界エンドの方が好きかもしれないですね。
あの、末白が鏡界に戻ってきた時の歪んだ笑顔。
最高にクレイジーじゃない。

比較的末白に対して協力的な彼だったのに、ですよ……ねえ……ええ表情してるわあ、あれは……。

そうそう。エンドについてですが、心中モノを図書館で読み漁っていたところから、心中エンドがあるのかなと思っていたのですが、なかったですね。(→ありました、8章low,lowで進めるとみられました!ありがとう!)
鏡界エンドが、精神的に心中しているという解釈でいいのかな?

このゲーム、「噛む」という行為以外は本当に末白ちゃんを傷つけることがないので(物理的にね)すごくみんな紳士ですよね。(いまのところ)
その辺りにこだわりでもあるのかな?

余談ですが。
無月の。

イケメンにしか許されない、気になる女子との距離の測り方(こぶしを握る)

いいですよねえ……うっとり。

芝居の練習台になるとことか、相合傘がしてみたかっただけ、的な発言にはもう萌え転がりました!!!!!
ごろごろごろごろ。
ずるくないです?あの声色の使い分け。
あとあの台詞回しはずるいわ……。
えっ……?(どういう意味?)って振り返った時にはもう、じゃあねー♪(オネエ)なんですよ。(伝わるかな)

あの絶妙な引き際に惚れました。

さっすが、俳優。
この辺りの会話術に、妙な説得力があってですね、すごかったわ……。
この物語を支えてるのは、完全にこの無月のキャラクター性だと思いますよ。

そして、それを可能にしているのが鏡界世界設定なんでしょうね、そうやって考えるとなかなか成功しているなあと思います。

まあなんにせよひっさしぶりにええキャラで、杉田さんのええ声堪能させてもらいましたわ……。

それにしても感情がッ!流れてくるッ!的なやつはいらんと思うけどな(笑)
まあ、そういうところが、なかなかにアレなんで軽い感じで楽しめる一因でもあるわけです。

あの「うっ……!!」って苦しむ杉田さんの演技はちょっと面白かった……よ……なんでだろうね、もう最近シリアスな杉田さんあんまり聴いてないからだろうねwwww

あと、壊音ちゃんの真似するやつね(笑)
杉田さんやっぱりいいなあ、大好き。




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コメント 2

みらるか

こんにちは~

>イケメンにしか許されない、気になる女子との距離の測り方(こぶしを握る)
お茶吹きましたww確かにですね

>振り返った時にはもう、じゃあねー♪(オネエ)なんですよ
こういうとこ最高ですよねww 急に低音になって「意識させてやろうか?」とか言ったと思ったら 「アタシは帰るわね~」とか言うww
これは沼ったかと思いましたよw

無感情に気が付くという事は 無感情ではないんですわ
楽しい時=笑う 哀しい時=泣く 
その=のとこに検問があって、なんで笑うの?なんで哀しい?って
思考が挟まって立ち止まるっていう難儀な個性をもった人たちが確かに実在して
間近で見ている人たちを苦しめます 
未白と同じように、何度も何度も日常 それに向かい合っていくわけですけど
ファンタジーではないのでどうにもなりませんw

彼らはもちろん自覚はありませんが 成長と共に周りの反応から自分は人と違うってわかっていきます。無月と違うのは ここで彼らは苦しみません。
生まれたときからそれが当たり前だから。

未白の気持ちに痛いほど共感してしまって、後半おネエに萌える隙がなかったwww
そして 来たるべきハピエンでめでたく感情を手にいれるだろう無月に嫉妬している自分と会ってしまってお話を終えるのが苦痛になってきちゃったんですねw
なかなか、厳しい√でした
このへんをぱぱっと脱ぎ捨てて 1周終わったら純粋に杉田voiceに浸りにいきますw

あと鏡界ENDは無理心中して欲しかったですww
図書館で心中物読んでいたので期待してました(*´Д`)


by みらるか (2016-05-28 12:28) 

あかり

>みらるかさん

こんにちは!わざわざツイでは書きにくいことをこちらにコメントしにきてもらえてうれしいです!
ありがとうございます(^^)

よかったよかった、笑ってもらえて(笑)
個人的にそうやって楽しんでもらえるのが一番うれしいですよ、ブロガーとしてはね……!!

無月のキャラクター性については最高によかったですね……!!
ほんと、あの会話術の巧みさには惚れるしかない……!!
杉田さんがキャストコメントで、確かこういう部分と、無感情のシーンをナチュラルに切り替える感じがとても難しかったとおっしゃってたことを思い出しました。


そうですね、無感情に気づくということ自体が、もう感情がないとはいえない。
おっしゃる通りだと思います、私も。

>無月と違うのは ここで彼らは苦しみません。
生まれたときからそれが当たり前だから。

そうですね。
確かにそういったケースが多いのは確かだと思います。

だからこそ大変辛いルートですよね。
うーん、辛いというか、実体験を彷彿とさせてしまうシーンのあるなしってやっぱり大きいですよね。頭ではわかっていても、心ではうまく割り切れないというか。
みらさんと同じような感想を(他作品などでも)目の当たりにすると、本当にこういうデリケートなテーマで描かれる作品は難しいなと思います。

理不尽な死であったり、親がいない境遇であったり暴力とかもいろいろ、当事者じゃないと絶対にわからない「感情」を想像して描かれた作品は、フィクションとしては面白いかもしれないけれども、経験者の目から見ると「お前になにがわかる」と思ってしまうのも、当然のことだと思いますしね……。そればっかりは本当に、どうしようもないですね……!

「物を書く人間が誰にも恨まれずに済むと思ってるのか」
私の大好きな同人ゲーム、図書室のネヴァジスタにある言葉ですが、こういうことをふと思い出しちゃいますね。それを覚悟でいろいろと世に出してくれる作家さん、クリエイターさんたちには尊敬の念しかありません。

まあ、だからニルアドやコドリアのような、真っ当な夢を見させてくれるキャラクターが乙女ゲームできらきら輝くのもわかるんですよね(^^)ゲームの中まで他人の苦しみに向き合いたくない、苦しみをわかちあいたくない、そんな感想もあって然りだと思います!

確かに心中するバッドエンドがあってもいいような気はしますよね。
このゲーム「噛む」こと以外は、本当に末白ちゃんを傷つけたくないのか、とてもみんな紳士で……そこに案外こだわってるのからないのかも……?

鏡界エンドがある意味、精神的な心中だとでもいいたいのかもしれませんね!
(とあとで書き足しておこうwww思い出させてくれてありがとう!みらさん!)

みらさんのツイ―トは私の知らない世界のことのお話もあって、いつもとても興味深く読ませて頂いてます(^^)
仲良くしてくださいませね♪
それではまた遊びにきてくださいねー!!





by あかり (2016-05-28 17:21) 

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