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ニル・アドミラリの天秤 汀紫鶴&鷺澤累 感想 [ニル・アドミラリの天秤]




だいぶ、飽きてきた、ですね……。

とりあえずトロコンまで突っ走ります!

では、紫鶴、累。
ネタバレ感想です(*^^*)





















☆汀紫鶴

彼は同じアパートに住んでいる人気恋愛小説家。
遊び人らしい立ち振る舞いでヒロインを翻弄するも、その本性はうかがい知れない。
彼もまた、稀モノに関わる一人で、亡くなった師匠の遺作に憑りつかれているのではないかという疑惑がある人でした。

恋愛小説家という職業、さらには稀モノと作家の関係性。
そういうものが非常に濃く描き出されていたこのルート。

よかった。
ここまでのルートがおままごとに見えるくらいにはよかったですね。

彼だけはなく、師であった森恒の元で同じ釜の飯を食らってきた他作家、またそれぞれが抱え、そしてどうにかして乗り越えてきたものが断片的にであってもしっかりプレイヤーに伝わるように書かれていたので、読んでいて楽しかったです。

さらには元推理作家というところもいいですね。
そんな彼が、まさに推理小説のような事件に巻き込まれていく。
真犯人に気づいておきながら、事件に翻弄され右往左往するツグミの向こう側に、巣くったままの昏い想い出を見つめて妖艶に笑う。
そんな彼の立ち振る舞いは本当に美しく、素敵でした。
そうした物語を構成するものが、古典の推理小説のような雰囲気がありましたね。

・森恒門下生たちの明暗

紫鶴に濡れ衣を着せようと行われた連続婦女殺人未遂事件の犯人はとてもわかりやすく描かれていたので、紫鶴が犯人であることはまずない、というのはわかりましたが、それでも、世の中の風潮やらなにやらで、汀先生がクロっぽい感じで周りが出来上がっていく感じはとても面白かったですね。

稀モノという奇妙な本が人を殺すとまことしやかに噂されているところにこの事件、世間がほっとかないのが事実だし、しかも心中本みたいなもんばっかり出してた作家となりゃあね。そういった世間からツグミちゃんが彼を守りたい、信じたい、でも、本当はどうだかわからない、という思いが絡まって、悶々とする感じで恋に振り回されているところが味わえてよかったです。

犯人は笹乞であることは中盤から想像できるように書かれてはいるのですが、単に笹乞は悪人だった、で済ませないところはとてもよかった。
この、森恒門下生たちが厳しい師のもとでどんな風にして作家の卵時代を過ごしたのか、どこが運命の分かれ道だったのか、そういったことに想いを馳せるとなんとも切ない結末を迎えるルートでした。

過激だと問題になって、発禁を食らう師。
もう書くことができない作家の手元にある、喉から手が出るほしい、未発表の珠玉のトリックやプロットの数々。
笹乞が、悪魔のささやきに耳を貸して、時代に殺された作家を自殺に見せかけて殺してしまう、という真実もとても大正らしかった。
盗んで書いたものは売れて、それ以外はまったく評価されない。
そして、また彼は、偽の稀モノを生み出す手伝いをするという悪事に手を染めていきます。

かたや有名女性運動家、かたや有名恋愛小説家。
同門たちは、2人とも推理作家としてではなくても、何かしらの形でモノを書くことで一人前になったわけですから……この忸怩たる思いや。

それがわかるからこそ、彼もまた笹乞に対して思うところがあったのだろうし、単にその悪事を糾弾する形にはならないのだろうなと思うのですよね。
単に刑事事件、稀モノがかかわっているんじゃないかというきな臭さだけではなく、この、門下生たちにしか入り込めない世界というのがこのルートにはある気がして、その辺りが大変趣がありました。

・怨恨のこもった遺作

書きたかったものを書けなかった、可愛がっていた弟子に裏切られた苦しみと怒りと悔しさが、遺作を稀モノにしてしまったというところにまで繋がっているところがとても綺麗なこのルート。
このお話の肝でもある「稀モノ」が、本来はどのように生み出されるものなのかを描いたルートがきちんとあったのはとても好感がもてました。

ひとつの物語を、自らの魂を切り売りするように作りだす、それが作家というものだ。

だからこそ、彼はこの師の怨念こもる遺作を、どれだけ害があるものだと理解していても捨てられなかった。
甘いシーンより、個人的に「あと一回、あと一回読んだら捨てるから」と魅入られるようにして捨てないでくれと懇願する汀先生にスチルが欲しかったと思う程、あそこは素晴らしかった。

人知れず人形を買っては殺し、買っては殺し、殺し、殺して。
「殺してやる」と聞こえてくるその本に、自分が憑かれていることも自覚していて、それでもなお師の想いを、師の作品を手放すことが出来なかった。
それは、苦悩と同時に、それ以上の恍惚をもたらすものであったのでしょう。

稀モノなんて危険なものは、この世の中にないほうがいい。
でも、稀モノになるほどの想いがつまったものが「書けてしまう」その才能と筆の強さに憧れる。

この倒錯した、敬愛する師の遺作に対する彼の愛が、汀紫鶴は恋愛小説家としてさらなる成功させたのではないのだろうか。そう感じてしまう程、文学的な結末でしたね。

・恋愛シーンに関して

彼のルートこそ、色事の描写が映えますね。
さすが遊び人、一番やはり立ち振る舞いが大人だったかなと思います。
彼にとっては、接吻なんてただの挨拶に近いだろうし、序盤であっさり奪って世間知らずのツグミちゃんにお灸をすえちゃうところなんかは、好きですね。
彼だからこそかな。嫉妬はポーズであってほしいな。

案外甘いシーンよりも、金魚のくだりが好きですね。
美しさと引き換えに、命を犠牲にしている金魚の品種改良。
それはまさに、魂を削り、時代に逆らって自らの物語を書く作家のよう。
そういう、語られないけれども、どこかで重なる、そういう美しさがありましたね。

すっごい意外でした。
汀先生についてこんなに語る自分、想像できなかった(笑)


☆鷺澤累


帝都大学医学部の学生。
温和で聡明な表の顔とは裏腹に、彼が隠し持った別の顔、それは「カグツチ」のリーダーとしての顔でした。
正義を振りかざし、学生を扇動して数々の疑惑がある百舌山教授を表舞台から引きずりおろし、ひいては国家の陰謀を暴こうとする、そんなルートです。

しかし、実は自分こそがその百舌山の血をひく息子であったことが明かされちゃってしかも母親は悪事の片棒かついでる(鷺澤目線)四木沼薔子で……うわあああってなる鷺澤氏……ってそんなことはもうどうでもええやん。

エリート大学生!活動家!リーダー!!!!!
バンカラな衣装はよかったよ、すごくね。

なのに!
やってることは、本奪う!本燃やす!!学生たちに本燃やさせる!!
それだけ……やん!!!!!!!!!!!

いや、他にもいろいろやってるんだと思いますよ。
でも話的にソレしか見えなかった。

違う、違うだろう。
もっと集会したりとか、授業ストライキしたりとか、演説したりとかだな……!!!
違うの!?学生運動ってそんなんでしょ?
初めは本を燃やせ、でいいんだよ。でもそこから、稀モノの噂が広がると同時に、いろんな陰謀論が学生活動家たちをだんだん過激にしていく、そうして彼らの正義が歪んでいく様がみたかった。
若い学生だからこそできる熱いお話があったんじゃないのかしら……。

いや、確かにこの辺を描くのはなかなか厳しい(いろいろとね)とは思いますが、フィクションなんだし温めでいいから、もうちょい似たようなことさせてほしかった。

彼らなりの「正義」と、フクロウの「正義」は両方間違ってない。
でも、相容れるわけにはいかない、それぞれに信念があるから。
それでこそ、ひよっこフクロウとカグツチリーダーの恋が燃え上がるってもんじゃないのか!!??

国をよくしようとする志は同じなのに、どうしてこんなにもあなたを、君を、認められないのか。
こんなにも愛しているのに。

そういう話になりそうなのに、急に鷺澤の出生、憎んでいる百舌山の実の息子だった、嘘だろ!?アイツの血が俺に流れているなんて……!!みたいな昼メロ展開に舵が切られて。

がっかりだ………。(二度目)


・あまりにも唐突なカミングアウト

ナハティガルの仮面舞踏会の後、すぐにいきなり押し倒されて、僕がカグツチのリーダーだ、ですよ。

あれなんで、キスする必要あんの????
よくわかんない……。
キスすりゃいうこと聞くとでも思ってんの???

もう少し、この前に、ツグミちゃん口説く台詞の半分でいいから、彼の思想、彼の国に対する想いを滲ませてもよかったと思う。
同志たちがアイツにやられた、復讐の意味も入る運動であったとしても、彼はそんな犠牲者のない時代を作ろうとしたわけであって、そのひとつとして「稀モノ」で荒稼ぎをしようとするカラスという国家の膿を出すために、自筆和綴じ本をせん滅せんとしているわけなのだろう????

どっちかっていうと、その信念よりも、復讐やら私怨の方に話が進んで行ってしまって、カグツチリーダーポジション全然、生かされてなかったですね。

カグツチ側に入る方のルートの方が好きかもしれない。
ナハティガル闘争とでもいうべきか?
まあ、ツグミちゃんがカグツチに入る理由はなんともアレですけどね……(笑)

・クズ要素が全部百舌山

結局、百舌山が凌辱して薔子に産ませた子が累、ってことなんですよね。

そんな設定いるんか、な……??

私としては、そんな設定がなくても、彼を百舌山と刺し違えても日本を変える、という信念をもった青年として描いてほしかったし、そんなにいっぱい百舌山に背負わさんでもいいと個人的には思いました。

なんでも悪いのは百舌山に押し付けているので(笑)ちょっとアレですよね、悪役ひとりがあんまり悪事を重ねすぎていると、話が浅く感じられるような……気がしてね。
なんだかなあ。

あとね、裁かれるのは百舌山だけっておかしくない??

なんで鷺澤は裁かれないの???
おかしくない??
将来有望な学生だからみんなして、もみ消すの???
警察は何してるの???
彼、加害者でもあるんだよ???

そんな学生が医者になるの?????

申し訳ないが、意味がわからない。


・恋愛について

なんや、よーわからん。

一緒にお風呂まではいったでえ。
びっくりですわ。

そんなことしてる場合か?

と真顔でつっこみたいシーンばかりでいちゃいちゃいちゃいちゃするよねえ、君たちねえ。
しかもまた、あの喬とかいうおっちゃんに組み敷かれたし、もう、どうにでもしてくれえ。

ああ、でも櫻井さんの声の、カミングアウト前後での印象の違いは素敵でしたよ。
いいねえ、ああいう聡明そうな学生を演じてる櫻井さんの声。
ステキです。



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コメント 2

みら

こんばんはー  ツイで絡んでくださってありがとうございます 
感想楽しみにしておりました!
今回もお腹抱えて笑い転げております

紫鶴さんは恋愛に至る過程がことごとく端折られていて
ちゃらい兄ちゃんから、いきなり 好きだ!ってなっても
はあ~~??!!って感じでした

累はちょと冷静に語れないんですが(キャスト買いなのでw)
爽やか系似非無邪気な櫻井孝宏が好きです
ツグミとの出会いがフクロウと近づくための故意であったことからの
恋心が募る過程を延々しゃべってくれた櫻井が好きです(累ではありません!)
でも あのカグツチって一体?!
最初は本燃やすのもいいと思うのですよ
でもツグミと親しくなっていって、稀モノの特性がわかっていけば
やたらめったら燃やすのもアホかと思うのですけど
それも、これ以外ないのだ!とか 宣言しちゃいますし 頭いい人とは思えない・・
薔子と面差しが似ているっていうとこから嫌な予感はあったのですが
ドロドロのメロドラマ展開は結構好きでした
どうせなら累 病んでくれたらよかったのに!!w
ちょとだけ永遠の仔を思いだしました。
長文失礼いたしましたm(__)m

また続きの感想を楽しみにしております!
by みら (2016-04-27 02:17) 

あかり

>みらさん

あー!こんにちはー!
こちらこそフォローありがとうございます(^^)
仲良くしていただければ幸いです!


はっはっはwww
まあ紫鶴もそうですよね、確かに。遊び人が本当の恋に目覚めていくみたいな描写はないに等しいから、アレもラブストーリーとしてはどうかな、と私も思います。

私も櫻井さん好きですよ。
ステキですよね。私は序盤の、フクロウに近づくための、君に一目ぼれをしたんだという、累の芝居のシーンが全般的に素敵だなと思いました。
なんというか、大げさじゃない、すごくナチュラルな演技だったなあと。
こういう役での櫻井さんのお声は本当に輝くな、といつも思います。

頭いい人とは思えない、それは本当に……。
理知的、理性的であるべき医者の卵、あまりそういう雰囲気は櫻井さんの声をキャスティングされた以外には感じられませんでしたねー。

お、メロドラマ展開は楽しめましたか!ww
それはよかった、私はそれを楽しむ余裕がありませんでした(笑)

永遠の仔、いいですね。
それならば累の幼少期とかももうちょっと知りたいですよね!
原作もドラマもとても面白かったです。素晴らしかった。

ありがとうございますー!!
いえいえ、長文大歓迎です(^^)
また遊びにきてくださいね!!




by あかり (2016-04-27 17:38) 

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