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大正×対称アリス episode Ⅲ 魔法使い感想 [大正×対称アリス]




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いやー。
ほんと、魔法使い編までプレイすると、ため息しかでないですよね。ホント。
藤文さんは、乙女ゲーム界の鬼才だと思いますわ。

ここまでプレイしてきて久しぶりに思いました。
その才能が怖い。

本当に面白い。
対称的に反転された物語に散りばめられた数々のモチーフに隠された意味と、epごとに感じた小さな違和感と「空白」が、ようやく形になって見えてきたep3。
物語の深層はさることながら、組み上げ方は本当に素晴らしい。
「鏡の国のアリス」を根底に描きあげられた、有名童話がモチーフの王子様たちのフェアリーテイル。
独立した物語としても十分面白い上に、コレとは……もう完敗でした。

エピローグ、迎えるのが楽しみなような、寂しいような。
ほっとするような、悲しいような。
いろんな感情が一気に押し寄せてきますね……。
じんわり。


と。
一応、販促めいたことをしてみようと思います。

きっとここまで巻数が出てしまうと、未プレイの方が思うのは「どこから始めても大丈夫なのか?」という点、「Vita移植を待っているのだけれど?」という2点だと思います。

まず、プレイ順について。
当たり前ですがこの物語を楽しむ最善のルートは、ep1から順番に、だと思います。しかし、ep1があまり合わなかった方で、それでも他キャラ気になるからこの作品プレイしたいなーと思っている方は、全体的にまったりなep1メンツを飛ばして、ep2のかぐや、グレーテルからでも普通に物語としては楽しむことが出来ると思います。

ぶっちゃけ。
シンデレラ、赤ずきん、かぐや、グレーテル、白雪。
この5人は基本的にはどの順番でプレイしても大丈夫だと思います。(魔法使いさんは攻略制限があるので、最低限白雪をプレイする必要があります)

できればep3の「白雪→魔法使い」の流れを崩さずにプレイする方が「わかりやすい」のでそこはそのままをオススメしますが、基本的にep1,2に関してはどちらが先でも問題はないと思います。

白雪くん or 魔法使いさんが目当てでこの巻からプレイしようかなと思っている方は、この巻からプレイしてep1、2に戻ったとしても、それはそれでなかなか面白い絵が見えてくるような気がします。ただ、それだと一番初めに白雪くんで世界観を知ることなるので、わからない部分が多くて「つまらない」という印象を抱いてしまうかもしれません。
なので出来ればep1 or 2のどれかのキャラクターはプレイしておいた方がベターかなと思います。

また、アリス君目当ての場合ですが、正直エピローグからプレイするのはたぶん、いや、かなり厳しいと思います。ぜひ「魔法使いさん」のルートを堪能してからエピローグをプレイされることをオススメします。

次にVita移植についてはありそう?ぶっちゃけどうよというお話ですが。

制作者様側がどうお考えなのかは全くわかりませんが、個人的には「ないだろうな」と思います。
非常にPCゲームらしい物語です。
ふわふわ、きらきらした、綺麗なおとぎ話のような体裁をしていますが、中身は非常にシビアなお話。
おそらく、いろんな部分をオブラートに包んでしまうと物語としての面白さが半減してしまう作品なので、もし移植されたとしても、きっと原作通りの面白さにはならないように感じます。
ですので、ぜひ気になる方は移植を待たずにぜひ今お手にとって頂きたいなあと、いちファンとして思います。

これくらいかな。

それでは。
深層を知る物語、魔法使いさんルート。
ネタバレ感想です。

また、これまでの巻すべてを踏まえての感想になっておりますので、すべての巻のネタバレが含まれます。プレイしていないキャラクタールートがある方は、その点ご了承くださいませ。















★赤のキングの世界に住む住人たち

この物語は、鏡の中の「赤のキング」を相手プレイヤーとした、深層のチェスゲーム。
百合花の持ち駒は「白のポーン」のみ。
彼女は白のポーンを操作してチェックメイトを目指します。

彼女は一体誰とゲームをしているのか。

それが明らかになるのが、このルートのお話です。

シンデレラ。赤ずきん。かぐや。グレーテル。白雪。
この中から誰かひとりと結婚しなければ、有栖百合花は命を摘まれることになる。
そんな脅迫状が、彼女の元に届くところから始まる魔法使いルート。

その物語が示すは、「彼」の深い深い底を覗く物語。
「彼女」が「彼」を救うために決意をした、始まりの物語でした。


彼の名前は「アリステア」。

彼は、裕福な家庭に生まれました。しかしそれは借金の上に築かれた砂上の楼閣でした。
そのことを理由に父親はひとり高跳び、捨てられた母親と彼は森の中の小さな小屋で暮らすことになります。(シンデレラ)

借金を背負った上に、「風貌」も「性格」も他の子供とは違う息子を抱えながら、売春することで生計を立てていた母親は次第におかしくなり、彼を家に閉じ込め放置する(虐待)ようになります。(白雪)
そんな母親と家から逃げ出したい一心で、彼はたびたび母親のいいつけを破って外の世界へと飛び出していきます。(赤ずきん)
そうした生活を繰り返していたある日、家に帰ると母親が死んでいるのを発見。その現実を受け入れられず、母親の死体と共に暮らしていた彼ですが、そんな生活は長くは続かずやがて猟師に保護されます。(白雪)

母親方の親戚によってようやく母親が荼毘に付された後、身寄りのない彼は、親戚じゅうをたらいまわしにされます。どの家でも厄介者扱いされた彼は最終的に「なよ竹の家」という施設に入れられます。穏やかに暮らしているように見えた彼でしたが、そこで親友ともいえるべき少女の自殺を目の当たりにしたことによって精神をきたし、ついに病院送りとなってしまいます。(かぐや)

病院へと連れてこられた彼は、そこで初めて「解離性同一性障害」だということを診断されます。

生きるために、主人格が傷つかないために。
痛みと辛い記憶を引き受けさせる人格を4人格もすでに作りだしていたアリステアを「治療」するために、医者は「すべての記憶を共有するリーダー的人格」を彼の中につくり上げます。(魔法使い)
しかし、その「治療」は、魔法使いが「アリステアだ」と自己を認識しなかったために失敗に終わります。
彼はさらに担当医にも見放され、結果彼を引き取ったのが「有栖家」でした。

彼はそこで、一番「年上のお兄さん的人格」であるシンデレラをアリステアの中から呼び出して、法律の都合上、有栖百合花の婚約者という立場で養子縁組をくまないかと打診します。有栖家にとっては善意でしかないこの行為は、やがて彼にとって筆舌に尽くしがたいプレッシャーとなっていきます。正真正銘のお嬢様、有栖百合花に対して感じるコンプレックス。これを一身に引き受けるために、彼はもう一人、人格をつくりだします。(グレーテル)


魔法使いルート冒頭。
アリス(CV松岡さん)の声で始まる百合花とのチェスのシーンには、鳥肌が立ちました。

白雪ルートと立て続けにプレイしてしまうと、この明らかに「私たちの知っているアリスではない」声色の意味を漠然と理解し、ただただ放心。

今まで、ずっと「個別」として見ていた痛々しい物語たち。
それは、すべて赤のキングであるアリス、つまりアリステアが抱えてきたトラウマそのものだったんですね。

他エピソードで黒塗りされていたような部分――例えば赤ずきんルートで「母親」がどうなったのかについて言及しなかったところであったり、グレーテルルートで何故有栖百合花の「義理の弟」となったのかという部分が、5ルートを俯瞰して眺めるとすべてがつながっていきます。面白いくらいに。

また、養子縁組の相談を受けたシンデレラさんのルートの根底にだけ「婚約者」という設定があったり、コンプレックスを感じていても自然な立ち位置にいたいという心理の表れなのか(アリステアと百合花は同い年であるにも関わらず)グレーテルという人格が「弟」として出てくるところも、ものすごく興味深いですね。
(それにしてもここの、グレーテルが引き受けた「劣等感」について想いを馳せるとなんとも個人的にダメージが大きかった、こんな「自分」が百合花の婚約者として有栖家にいるなんて、彼女のことが好きであればあるほどきっと、耐えがたい。まさにグレーテルルートはそのコンプレックスを体現したようなルートだった)

また彼らの性格的な方向性を振り返っても少し涙が出てくるんですよね。

シンデレラがあんなに「親」というものに対して好意的に捉えているのは、彼にはまだ幸せだった家族の記憶がある人格だからなのだと思いますし、赤ずきんが女性恐怖症なのは、おそらくあの小さな家で母親が借金取りに乱暴されている姿を目撃している性的なトラウマからくるのだと思います。かぐやがあの施設の「身ごもった少女」から逃げ出したのは、もしかしたら母親が一度アリステアと心中を図ろうとしたことがある記憶の名残なんじゃないかとも思えてきたり、さらにはグレーテルの「お菓子」も、結果アリステアが最終的にオーバードーズし眠りについた理由の一端をうっすらと提示しているような気もします。
白雪が赤ずきんに対してどこか冷たいのは、きっと自分が同じ時期の嫌な部分を引き受けている人格なんだからでしょうね。無意識の嫌悪感というのでしょうか。

また、だんだんとepが進むごとに「アリス」の出番が減っていくのも、各人格が主人格「アリステア」をどれだけ認識しているかによるのかな?
きっと、初めて生み出された「シンデレラ」という人格とアリステア君は、それなりにうまくやってたんじゃないかな、と想像します。だからシンデレラさんの物語には、あれほど色濃く「アリステア」の姿があった。赤ずきんルートも、まああったけれども赤ずきんさんはどれだけ「自覚」しているかがよくわからないですね。

ただ……それ以降は、な……。
考え出すと止まらなくなりますね……。


★有栖諒士とアリステアの関係

おそらく初めて有栖諒士とアリステアが出会ったのは「赤ずきん」の人格の時です。
諒士さんは、オオカミくんとアリステアを間違えて、アリステアをオオカミくんのおばあさんのもとへ連れて行ってしまった。
その、とっさのこととはいえやってしまった失敗が、彼の心に傷を残したことを知った諒士さんは、きっともう一度あの時のことを話したくて、彼らが溺れた湖によく足を運んでいたのだと思います。
そこで彼が再会を果たしたアリステアが「白雪」です。
彼は療士を目指していた。
きっと彼は、ここでアリステアのただならぬ「状況」と「病状」がわかったはずです。
そして、あの「家」を目の当たりにした諒士は、おそらくあの後彼を保護し、身内に引き渡したのだと思います。

有栖諒士はこの頃の彼の話を、百合花によくしています。
白く雪のように冷たい王子様。
彼の話にずっと興味をもっていた百合花はそんな時に、諒士が療士見習いをしている病院に「彼」が送られてきます。
今度は患者として、彼と向き合う諒士。
彼の担当する患者が、その諒士がかつて話していた少年だということを知ると有栖百合花はいてもたってもいられなかった、というわけですね。

ここでは何故、百合花がそこまで彼を愛そうとしたのかについてはまだ語られていません。
が。
有栖諒士が、ものすごく彼の人生のターニングポイントになった人物であるのは明白ですね。
有栖家の兄妹たちも、その少し「変わった」容姿から何か過去にあったのでしょうか。
自分が大嫌いだった私を「彼」だけは認めてくれたから、そう百合花が言っているシーンがあるように、何かあるのでしょうね。
彼ら兄妹たちは、方法は違えど、とても献身的にアリステアを受け入れようとします。
この辺りは、おそらく最終巻にて描かれるのかもしれませんね。


★有栖百合花の、ただひとつの目的

その身に多くの人格を抱え、アリステアはバランスを失いかけていました。
やがて、彼は睡眠薬を一瓶飲み干して、長い眠りについてしまいます。

彼女の目的はただひとつでした。
アリステアを救い、目覚めさせることです。

彼女はそのために「お姫様ごっこ」をすることにします。
各人格と対話をするため。
各人格の傷をいやすため。
彼女は、それぞれの人格に童話の「ヒロイン」を当て嵌めたアリステアの世界にあやかり、彼らひとりひとりに、あろうことかアリステアの中の自分の記憶を使って、8番目の人格「有栖百合花」というお姫様をつくります。(方法については詳しくは語られていません)

しかしそのためには、どうしても共犯者が必要でした。
どの人格の物語もハッピーエンドになるように、時に協力者として、時に敵対者として物語を導くバイプレイヤー。また第8人格「有栖百合花」が失敗した時にはもう一度やり直させるために、その人格を「殺す」存在が不可欠でした。
彼女はそこで、ほとんど出てくることがない第6人格「魔法使いさん」に白羽の矢を立てます。
すべての記憶を有し、痛みを感じない人格。
医者に望まれてつくられたのに「役立たず」と打ち捨てられた人格。
彼女は、彼を利用して、アリステアを救うことをもくろみます。


私……すごくね、女って怖いなって思ったんです。
それはね、なぜかというとね。

アリステアが最終的に睡眠薬を過剰摂取するところまで追い詰められたのは、おそらく魔法使いのせいなのだと思うんです。そして、魔法使いを叩き起こしたのは、間違いなく百合花なんですよね。

彼は医者に「役立たず」と言われて、深く深くに潜った人格だった。
しかし、ある時有栖百合花が、すべての人格が眠りについているところに「あなたとお話したい」と声をかけた。
「魔法使い」の彼だけが知り得る(おそらく)アリステアの深い記憶の底にある「僕は好きだよ。君の宝石のような眼も、ふわふわとした柔らかな髪も。全部君が君である証だ」という台詞で「私だけがあなたを知っている」といわんばかりに彼を揺さぶった。

彼女の思い通りに、彼は次第に百合花を試すように他の人格を騙って現れた。
どれだけ何かを「かぶっても」、彼女は「魔法使い」という正体を見破った。
彼女だけが自分の存在を認めてくれる。
痛みをはじめとした感覚、感情を知覚しないとされた彼が、やがて彼女への愛を自覚するようになった。
きっとこのころから、魔法使いは「嫉妬」という感情を覚えました。
弱く何もできない逃げてばかりの主人格は、百合花の愛情を独り占めする。
さらに主人格アリステアは、その愛に「コンプレックス」を感じ、「信じられない」と心を閉ざす。
描かれてはいないけれど、魔法使いさんはきっとその「立ち位置」を逆手にとって、そんなアリステアにずっと揺さぶりをかけていたのだと思います。
ずっとそうした症状に悩み続けた彼の背中をがけっぷちで押したのは、まぎれもなくその身体が欲しくなった「魔法使い」だと思うのですよね。

魔法使いさんは言います。
君が望むなら、僕はどんな駒(人格)にだって昇格してみせる。

どんな人格を模倣してでも、彼は百合花を繋ぎ留めたかった。
それほどまでに彼女を愛してしまった。きっと主人格以上に。
それを自覚していたかどうかは、わからないけれど。

百合花はここで初めて、彼を拒絶します。
そして、なんとも残酷なことに、心をあげられない代わりに、身体をあげるんです。
身体を繋げて、キスを交わして。
そして、命令するんです。私のために「彼」を助けろと。

このシーンは、ほんと……のたうち回って悶絶しました。
だって、どう転んでも百合花の大勝利じゃないですか。
(そんなこと魔法使いが一番わかってると思うのですが)

あなたに私の初めてをあげるといいながら、その身体は彼女の王子様、アリステアくんのものです。中身違うからそりゃそうかもしれないけれども、魔法使いさんも彼の一部だと考えればそれは……とかもやもやする。もちろん魔法使いさんという人格に同情もしているし大好きなところがあってのことなんだろうけどね。
でもでもそれ以上に、私をあげる、その代わりに「あなたを頂戴」という言葉は、百合花と違って魔法使いさんのすべてを縛る言葉なんです。

狡猾かつ傲慢な提案。
なんて恐ろしい女。
「勝つためには手段を選ばないの」
彼女はその言葉通り、彼の、自分に対する幼い愛を利用し、チェックメイトするために働けと命令します。

彼女は魔法使いさんを初めて拒絶したあの日の言葉。
「君が望むのなら、僕はどんな駒にだって昇格してみせる」
ここの声色は確かに「アリステア」君のものだった。

アリステアを騙って、そんな台詞を吐かないで。
ここに百合花の真意が現れています。

そしてダメ押しの、アリステアが倒れた時につい彼に呼びかけた「名前」。
失恋を自覚した魔法使いさんは初めてここで、傷つきます。

おそらく。
彼女がしたいのは各人格の統合。
彼女には誰も選べなかった。
彼女には誰も本質的な意味で理解してあげられなかったから。

そのためには、アリステアの心的外傷を引き受けてくれた各人格が「救われた」という想いをもって生き続けられる「物語」が必要だった。
それは、ある意味で、各人格に有栖百合花から送られるベッドサイドストーリー。

なんとなくですが。
百合花はこう考えたんじゃないかな。
他の人格の誰よりも、嫉妬と独占欲を覚えた「魔法使い」という人格こそが主人格をもっとも脅かす危険性の高いものだということを。
だから、「先手を打った」。
だから、彼に私と「彼」のために死んでちょうだい、と宣告した。


このことから、おそらく「魔法使いルート」から彼らのチェスゲームは始まったのではないかな、と個人的に想像してしまいました。


★これは、魔法使いを救うおとぎ話

アリステア君についてだいぶ書いてきましたが、しかしこれは魔法使いさんのお話。
魔法使いさんのために作られたお話なのです。

シンデレラ、赤ずきん、かぐや、グレーテル、白雪。
魔法使いさんのルートは、この中の人格からひとつ「選べ」と迫られる物語。
なのに、どれか一人格を選ぼうとするとバッドエンドにいってしまう。
なぜならこれは、魔法使いさんを救うための物語だったからなんですね。

それは、先ほども書いたように、たぶん「ここからはじまったから」。
他の人格を救う物語を描く前に、真っ先に現実の百合花が描いた物語。
それは「魔法使いさんを救う物語」だったのではないでしょうか。

この物語のために生み出された「有栖百合花」は、間違えることなく魔法使いさんという「脅迫者本人」を選びとります。

主人格でも、他の人格でもない。
他の誰でもない、僕を選んで。

彼に初めて芽生えた感情である「恋心」。
そんなはずはないと見て見ぬふりをして、百合花の前でも猫を被り続けてきた魔法使いのその本心を救うことを、彼が愛した女王様は忘れることはなかったんですね。
彼女はそんな有栖百合花の影らしく、片想い同士仲良くやりましょう、あなたの本物の有栖百合花への恋をアシストしますよ、とおどけてみせます。
彼女は、ここ以降どの物語においても、「猫」を被って、魔法使いの傍に居続けることを約束するんですね。

他のどのルートでも、片時も離れることなく「黒猫」と寄り添う魔法使い。
これはおそらく、彼はすでに「自分だけのお姫様を見つけた」後だと言えるのでしょう。

白雪ルート、魔法使いルートオープン条件ともいえる、アリスと魔法使いの邂逅のシーン。
「いつか君にも君を救ってくれるお姫様が現れるといいね」
そんなことをアリスに言ってのけるあそこの魔法使いさんは、相当ふっきれてる感じがしました。

それにしても、あああああもう。
なんでしょうね、この関係性。

永遠の片思い。
どこまでいっても「本物」には手が届かない、そのことを甘受している2人に「本当」のハッピーエンドは託されている。

その、なんとも皮肉な世界にくらくらしてしまいました。

私は大好きです。
この魔法使いさんと百合花の鏡の向こうにいる相手に懸想するような関係性。
たまらない……です……!!!!



また、余談ですが。
「序章」のアリスの性格が「主人格」の本来の、性格、なんですかね……?
ううっ……本当の「僕」が何かなんてある意味では決まっていないし、流動的なものだとは思うのですけれども、もうそれを想うと胸が張り裂けそうなんです……。

あと、ものすごい個人的な好みの問題なのですけれども。

アリステアくん(中身:魔法使い)のCVは、各人格のモノマネも含めて。
なんか扇情的。
うっとりしました、もうなんかうっとりしました。


そして、逆に主人格の声はなんて……ああもうね。
もうだめだわあ。

もう、エピローグの物語を生かすも殺すも、松岡さんにかかってるといっても過言でもないような気がしてきましたね、この設定。
ああ恐ろしい。
恐ろしいですね……(笑)





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ほぴ

あかりさん、こんにちは!
オトパやレンドでは丁寧なお返事ありがとうございました。
(レンドチームがめんどくさすぎて辛いに吹きました!)

そして……あかりさんの感想を読んで私まで思い出し泣きしてしまいましたよ。
なんだか急かしてしまったみたいですみません(急かしてたのですが!)
白雪ルートで、他キャラが兄弟という設定に喜んで、
みんなの掛け合いを楽しんでいたのも束の間、
母親との描写や池に通う場面でやっと既視感を覚え、
あれ変だな、とうっすら疑念は沸いたのですが、
結局魔法使いさんでトドメ刺されるまでわからなかったトンチキな私でした。
それを認めたくなかったのかもしれません。
だって、実は一人だったなんて。
今までの攻略はいったい……と。今年最大級の衝撃度でした。
赤ずきんさんの時もそうでしたが、してやられた感が半端なかったです。
多重人格というと、最近では絶対階級でありましたが、
あれは姿形が同じでCVも同じ方で、とてもわかりやすかったですが、
こちらは一見まるで別人、王子様「たち」を救うお話なんて始まっているので、
まんまと騙されました!

それにしても、藤文さんってすごい才能を持った方ですね。
今まで微塵も意識させなかった「大正」である意味、
(容姿についての周囲の偏見はもちろんですが、
仮にも精神科医が「失敗作だ」なんて言うか?
という疑問も時代性を考慮すれば納得もできる)
童話とのリンク、魔法使いさんとの言葉のやりとり、などなどいろいろ本当に。
この真相は地雷だという人もいるだろうと思われますが、
そんなことより、この構成に賛辞を贈りたい。

全てがわかってからガルスタの独占インタビューを再読するとまた面白くて。
もう一回各ルートを再確認したくなります(しています)。
そして松岡さんの演技が素晴らしかったですね。
ここまできて、どうしてアリステアが彼なのかわかったような気がしました。
次で終わってしまうのが寂しい、寂しいけど早くエピローグ見たい。
どんな風に物語を畳むのか、最後の一手を早くちょうだい!
そんな気持ちでいっぱいです。
というか、エピローグ編を待たずして私の今年の一番はこの作品になりそうです。
あまりプレイしている方を見かけないのですが、もったいないですよね。
レンドより100倍は奥が深くて面白いよーと言ってあげたい(言えないですけど!)
そういう私も最初はあかりさんのおすすめで購入に至ったクチなので
大きなことは言えませんが……
とにかく、11月を楽しみに、首を長くして待ちましょうね!

by ほぴ (2015-09-16 20:17) 

あかり

>ほぴさん

ほぴさんまたまたこんにちはー!!
いつもいつもコンスタントに遊びにきてくださってありがとうございます(*^^*)
ほぴさんのお話するのとても楽しいですー♡

いや、ほんとレンドチームはめんどくさいな……っ……て……(個人的な主観ですけどねww)


>今までの攻略はいったい……と。今年最大級の衝撃度でした。

そうですねえ……!!!
私自身は、こういう多重人格を扱った作品って小説なども含めて何作か出会ってきたので(かといって精神医学的なリアリティがあるのかはわからないのですが)白雪くんのルートでなんとなく漠然と「そういうことかも」とすでに涙目だったんですが、それにしても、ねえ……。

鏡の国のアリスをテーマにした作品、多重人格を扱った作品は、やはりテーマがテーマなので世の中にいろいろとあるので似通っている部分は間違いなくありますけれども、それでも、童話を反転させてアリステア君の精神世界と心的外傷を描く部分単体でみてもしっかり乙女ゲームとして面白い点、そしてさらには、やがてひとつへと物語が集約されていく気持ちよさとストーリーテラーとしての巧みさが非常に素晴らしい作品ですね。

癖は強いけどwwww
それはもう、癖は強いけれどもwwww

そうですよね、まだ「大正」という言葉の意味が明かされていない……。
単に現実世界の時代設定と受け取ってもいいのか、それとも……とまだまだどんでん返しがありそうで怖いです、ほぴさん……!!!

いろんなフォロワーさんのブログ考察読ませて頂くと、いろんな見解といろんな視点があって、この作品は感想読んでいてもとても楽しいです(*´ω`*)
もちろん、こうしてほぴさんのお話を拝聴できるのもすごく楽しいですー!!

確かに、この真相は地雷の方も多いでしょうね……。
というか、キャラ萌えで楽しむ方には間違いなく……辛いですよね……。
まだ魔法使いさん、は、正直、勝ち組な気がするので……アレなんですけど……(どうだろう)

>全てがわかってからガルスタの独占インタビューを再読するとまた面白くて。

わかりますー!!
あの、web上のやつですよね!?あれほんと面白いですよね、ep終わるごとに読むと、あああそこのことだ、みたいな(笑)

これから「ご苦労をかけられる」松岡さん、ほんと大変そう……(笑)
7人格、ですか……?
しかもアリステアの声で7人格ですもんね……恐ろしい……。
アリス≠アリステアかもしれない、という意見もありますし、ほんと、どうなるのでしょうな………。

ほんと、寂しい!!
終わって欲しくない!!!
もっと続けてほしいけど、それは美しくない!(笑)

私も、今年は対アリが一番かな、ああでも華アワセもむちゃくちゃ面白かったです。
全然違う方向性の面白さですけどね!
どっちか、かな。

うーん、確かにあんまりプレイされてる方はいらっしゃらないですよね。
PCっていうところでまずハードルは高そうですからね、お値段的には全然、しんどくないんですけど。
あとVita移植待ってらっしゃる方が結構いらっしゃいますね。
たぶんなさそうだけれど……これ手を加えてしまったら、ねえ。
彼らがああやって、丸裸にされないと面白さが半減してしまうので……。

レンドの100倍……wwww
いや、ほぴさん比べちゃだめだ、アレはアレでたぶん需要があ、る、はず!!!(笑)

対アリは正直、ここまでプレイして中身を知ってしまうと、オススメはしにくい作品ですね(笑)
藤元さん作品のファンの方だったり、男性向けノベルゲーとかもお話が面白ければプレイする!というくらいノベルゲーのストーリーに、ある意味で寛容、というか柔軟なタイプの方はきっと面白がってくださるでしょうけど……ね!

他のブロガーさんが、こういう、若干テーマにしているものがカタい作品ってどこまで娯楽として乙女ゲーマーの層には受け入れられるんだろう、っておっしゃってて、そういえばそうだなあと思いました。
「乙女ゲーム」も、男性向けみたいに、いろいろジャンルとして棲み分けがされるともっと解りやすくなるでしょうねえ……。

そうですね!
11月、楽しみにまちましょー!!!

いえいえ、いつも私の感想を参考にしてくださってありがとうございます!!
おかげでほぴさんとおしゃべりできる作品がたくさんあって私は楽しいですー☆
またいつでも遊びにいらしてくださいませませ♪

それではー!!







by あかり (2015-09-17 22:22) 

やしろん

あうあう…もしかすると書きかけのコメントが送られてるかもしれませんが
失礼致します…(汗)突然ブラウザが荒ぶった…!

対アリepisode3お疲れ様でした…!!
面白かったけど、どうもepisode3が好きじゃなくて
再読から逃げてるやしろさんであります(苦笑)←詳しくはまたどっかでお話ししまそうw
コメント欄も(失礼ながら)拝見して、あかりさんも
こういう精神世界のテーマに馴染みがあるから、
若干身構えた感想になってるのだなあと….まあ…ですよなあ.

なんというかそういうところも含めて
うまく人にオススメできないと言うか…難しいですね….

でもあかりさんはその上でちゃんとアリスやアリステアを
考察されてるので、なるほどなあと思いながら読ませて貰いました!
アリステア君…悲惨すぎるし、
そしてどこを目指して彼にとってベストエンドなのか……唸りますね.
あかりさんが挙げてらっしゃるように、アリステアとグレーテル君の物語の類似性に、
epilogue編でまーたドギャンとした内容を持ってこられやしないかヒヤヒヤしてますw
ふふ、どうなることやらですね.最後まで気が抜けませんな.

あと、すみません!!ちゃんとワタシ分かってないのですが、
松岡くんが、魔法使いさんとして七色の声を演じわけてる…でFAですよね???
我が耳の頼りなさをあの時ほど恨んだことはございませんわ…w

ではでは散漫としたコメントですが、お受け取り下さいませー
またね!!
by やしろん (2015-09-20 00:10) 

あかり


>やしろん

うわおーーー!!すみません、長い間コメントに気づかず……!!
やしろさん、わざわざコメントありがとうです……!コメントするのめんどくさかったら私をいつでも呼び出してくださいませね……!call me!!

>若干身構えた感想

そうですなあ……今回の作品は、もう使い古されたといっても過言ではない「アリス」設定、さらにこういうどんでん返し的な作品にアリガチな多重人格設定……というところで、どうしても個人的に「先に」触れちゃってる作品たちがあるので、客観的にひとつひとつ見るっていうのはなんとなく難しいかもしれませんなあ。

そういう意味で「おすすめしにくい」というのもなんとなくわかります。
どうやったって、先に知った作品の方が新鮮で、「初めて」には勝てないものですものなあ……。
まあでも、それをわかった上で藤文センセ、勝負してらっしゃるようにも感じたし(というかこれを乙女ゲームにおとしこもうとしたのは挑戦かもしれませぬなあ)、確かインタビューでも、アリスものを作ってみたかったとおっしゃってたので、まあ個人的に挑戦されたかった分野のお話なのかもしれませんね!!

それでも彼女独特の、アリステアがこじらせた精神世界の描き方はやはり独特だと思うし(やしろさんもおっしゃってた通り、彼女が描く母親像、母親が子供に与える影響などの描き方はハンパなく怖い!)、特にグレーテルくんがアリステアから「受け持った」傷の部分は、並大抵の乙女ゲームライターじゃまずは描かない苦悩なような気がします。(間違いなく最近不信のでぃーすりーさんちや、れんどなチームには書けない……と思う、根に持つw)

そういうところが「なんかおすすめはできないけど私は好きだー」というところに繋がるのかもしれませんー!!

私は、どちらかというとやしろさんが「後出しじゃんけん」とおっしゃってた、ep3を踏まえて書かれた感想がすごく、面白くて……!!

特にかぐやに対する印象は、正直真逆だなと思いました。
かぐやに対してを「自己への暴力」と捉えるところはやはりやしろさんだな、と……!
そのことばを知ると、とたんに「死にたがり」という部分が自殺願望というところではなく、自罰的に見えてくるから不思議です。

百合花が何度か言ってる「彼は自殺しようとしたんじゃない」という言葉につながる解釈だなあと思って、あかりは目から鱗でした!!

いやーほんと、epilogueのアリステアくんはどうなるんでしょうね……。
もうここまできたら菩薩のような心で待つしかありませんな……(笑)

おっと!
そうですよ、松岡さんが魔法使いさんとして七色の声を演じわけてる……であってます!!
エピローグもたぶん、アレでしょ……松岡さん、一番課せられたものが大きいような気がする……(笑)声色の使い分けにリアリティがなければ、それでお話は死んでしまうと思うんですよね、フルボイスゲームの怖いところだと思う……。
あと、アリステアの声をベースに、他キャラクターの真似をしなければいけないところもちょっと厳しそうですよね、確か普段のお声もう少し低いはずなので(笑)

いやいや、やしろさんの耳のせいではなく、おそらく松岡ファンの私が過敏に反応するだけなのですwwwwあの声大好き!特に魔法使いさんのマネをしている声が大好き!(聞いてない)

11月なんてきっとあっという間っすね!!!!
またやしろさんとこうしてお話できるの楽しみにしてますーー!!
ほんと、いつもいつも構ってくださってありがとう!
やしろ姉さんが次何をプレイされるのか楽しみにまってますー♡
(フリウォは新展開がなく残念でしたの……)

あっ、余談ですが書きかけコメント届いておりませんでしたよ……!あわわわわまさか書き直してくださったんです?ほんとこちらこそ申し訳ないです……(涙)
いつでも呼び出して(以下略)

by あかり (2015-09-24 11:10) 

よもぎ

あかりさんこんにちは!
今、魔法使いルートを終えてきました…。

なんというか、もう!!!
す、すっっっっごく素敵な作品ですね!!!対アリって!!!!(;-;)

実は、私今まで乙女ゲームは3、4本しかプレイしたことがなかったんですが
こんなに素敵な作品があったんですね!!より一層この作品が好きになりました(//∇//)

と。驚きとか感動でなんかもう言葉になってないですね(^^;
魔法使いさんルートはぶっちゃけ最初から訳がわからなくて(笑)どうしようかと思ったんですが、進めていってようやく理解できた気がします…(* ̄∇ ̄*)

それにしても、やっぱり百合花さんは素晴らしい!!
あかりさんの言っていたように、真っ先に魔法使いを救う物語を百合花がつくり出したとしたら、
それは、主人格であるアリステアを救うための「駒」を救うため。一方で私には百合花の魔法使いさんへの愛も感じられるようで、なんか鳥肌たちます!!
「百合花の前でも猫を被り続けてきた魔法使いのその本心を救うことを、彼が愛した女王様は忘れることはなかった」
素敵ですね!(;-;)あかりさん!!!笑

好きな人の為ならなんでも、勝つ為ならなんでもする恐ろしさも含め、百合花さんこそ完璧な女の子のように思います。

松岡さんの演技もすばらしかったですね(^^)b
エピローグが本当に楽しみです。

余談ですが、対アリのBGMってとても素敵ですよね!
EDの曲なんか、ひとつの映画を観終わったような達成感があって、エピソードを振り返って悲しくなったり、幸せな気持ちになったりしてしまいます(T^T)
対アリの世界観がすごく良く表現されていてすばらしいなと思いました!
by よもぎ (2016-07-15 18:11) 

あかり

>よもぎさん

お疲れ様ですー!!
魔法使いさんまで終わると、もうあとはアリスくんだけですね(^^)
長かったのですよね……!!ほんとお疲れ様です!!

よもぎさんの、この作品への愛がすごく伝わってきます!!
これぞ!っていうような、お気に入りの作品に出会えると幸せですよね!
私は、もう150本近くはこういったノベルゲーム、プレイしてきたような気がしますが、その中でもかなりクオリティの高い作品のひとつだと思っています。
シナリオ、キャラ、演出、音楽、演技、絵の美しさ、どれをとっても素晴らしいですよね。もちろんクセはありますので好みの部分と、乙女ゲームとしてどうなのか、という意見はあるとは思うのですが……!

これをきっかけにいろんな乙女ゲームプレイして欲しいです(^^)
ハズレももちろん多いですけど(小声)

対アリは結構、2回やりなおすととてもよくわかるお話になっていますよ!
一周目は先が知りたかったり、先入観があったりしてどうしても読み間違えたりしているところはあると思うので……!!(わたしもですw)

エピローグまでプレイすると、彼女が彼らをどう愛したかったのかがちゃんと明かされているので、お楽しみに♪
魔法使いルート怒涛のクライマックスからは考えられないほど、エピローグはお話をまとめに入っている(笑)ので、気持ち的に落ち着いてプレイできると思います(^^)
魔法使いさんはもうその存在自体切ないですね……!!
彼はどこまでいっても不憫ですよね、そこがむちゃくちゃ萌えるポイントでありながらも、地雷の人には地雷なんだろうなあ……と、にやにやしながら楽しんだ記憶があります。

松岡さん、素晴らしかったですよね!
エピローグも楽しみにしててください……!!バッドエンドの彼の演技は秀逸以外の何物でもないです。

そうですよね!!私も、楽曲がとても美しいと思います!
PC版はアニメイトで全巻購入するとサウンドトラックがついてきたのですが、どの楽曲もほんと素敵で、ヘビロテしまくってます(^^)
EDはフルバージョンもとても綺麗なので、お楽しみに!(さっきからこればっかりw)

またぜひ、アリスくんの感想聞かせてくださいね♡

いつもありがとうございます!
ではまたまた~♪



by あかり (2016-07-19 13:33) 

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