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大正×対称アリス episode Ⅲ 白雪感想 [大正×対称アリス]





大正×対称アリス episode3 通常版

大正×対称アリス episode3 通常版

  • 出版社/メーカー: Primula
  • メディア: DVD-ROM







終わりの足音が近づいてきたep3。
ついにひも解いてしてしまいました……!!!

実は魔法使いルートopenさせたら、もう止まらなくてまるっと終わらせてしまっているのですが、まずは白雪ちゃんについての感想を書きたいと思います……。

思いますが……。

(頭を抱える)

ううっ……白雪も相当キツかった……。
覚悟はしてたつもり、なんですけどね……。

余談ですが、もう魔法使いさんまで終わった私は、回想しては泣き、回想しては泣きを繰り返しております……。
他のゲーム出来るかな、ほんとちょっと厳しいかも(笑)


それでは。
白雪ルート、ネタバレ感想です……。
















★「お姫様」になりたかった母親の葛藤と現実

Ep3、白雪ルートで初めて出てきた「母親」の存在。
Ep1からプレイしているとこの「母親」の言動には既視感を覚えるところから、すでに「始まっている」ことが提示されてしまうわけですが……。
まあそこはおいときまして。

最初は「女の子が欲しかった母親」が男の子として生まれた白雪に耐えられなかった母親、というだけの物語なのかと思わせておきながら、そうではなかった。

お姫様に憧れていた少女のような心を持つ、若く美しい白雪の母親。
夫と生活を別にすることとなった彼女は一児の母親として、厳しい現実を受け止めながらも前向きに愛しい子供と共に生きていこうと努力をしていました。
しかし、彼女の中で思い描いていた「未来のわたし」と、その未来を今まさに歩いている「わたし」のギャップは大きすぎました。
鏡の中のわたしは、お姫様のように王子様に愛され、女の子を設けてお城で家族楽しく暮らしている。
でも、現実のわたしはゴミ溜めのような小さな部屋で夫の血を引いた息子と2人、借金返済に追われている。

息子に罪はないと頭ではわかっている。
でもきっと。
心が追いつかないんですよね。

母親である前に「女」だから。
特に秀逸だなと思ったのは、彼女が若くして結婚したことがわかる部分ですね。
きっと「若く美しい」ということは、母親としては結構な毒であるんですよ。

この子さえいなければ、まだまだ若い私は自由であるはずなのに。

子供が思い通りにならない時なんて日常茶飯事。そんな時にもたげる悪魔のような考え。
それでも血を分けた子供だから、愛していないわけなんてないんです。
母親であることに年齢は関係ありません。
でも、でもでも、絶対に思うはずなんです。

この子さえいなければ、私はやり直せるのに。

なんの罪もない我が子を抱きしめながら、心のどこかにある、矛先の収めようのない怒り。
でもきっとこれだけなら、耐えられたかもしれません。
彼女の、悪夢のような現実はこれだけにとどまりませんでした。

彼女の子供は、少し変わった子供でした。(この部分に関しては今は触れません)
さらには、ここからは少し憶測になりますが、彼女の夫は「異国の人」なのでしょう。
だから「可愛い」「綺麗」と見知らぬ他人に褒められる我が子を純粋な気持ちで喜ぶことはありません。
どこかそこには好奇の目線が入っていることが滲んでいるからです。
存在するだけで目立つ息子、今でこそハーフやクオーターなんて憧れこそされても、差別されることなんてないのでしょう。しかしもしこの現実世界が「大正」時代であったならば?
それはそれはさぞ生き辛いと思います。
ましてやシングルマザーです。
さらに彼女はお金のために「花売り」(売春)までしている。

いっそのこと、彼女は母親としての自分を捨て、逃げだせばよかったのかもしれません。
それでも彼女は「母親」の顔を捨てなかった。
責任感が強く、真面目だったからなのか、やはり母性がそうさせるのか。
しかし私にはそれこそが、彼女の罪のように思えて仕方がありません。
「外の世界には怖い狼がいるから、決して家から出てはいけません」
そうして、彼女は自分が逃げ出せることをいいことに、可愛いのと同じくらい憎い息子を自分が大嫌いな「家」に縛り付けました。
彼を好奇の目から、借金取りから「守る」という名目で。
この子のために働く、そのために彼がそばにいては働けない。
この子が傷つく、そのために外に一緒に出ない。
それは、裏を返せば自分も傷つくからだったというわけです。

罪だけれども、誰がその罪を責められるのか。
それが出来るのはおそらく「彼」だけなのでしょう。


★鏡よ鏡、鏡さん

鏡よ鏡、鏡さん。
白雪姫のお話でそういって、魔法の鏡を通して見たいものを見て、聞きたい言葉を聞くのは女王様ですが、この作品では白雪姫本人がそうして現実逃避をしています。

大好き「だった」母親が望んだ、そして大好き「だった」母親が自分を心から望んでくれる、美しい世界。
お城のような家に住み、お姫様のような美しい姿で毎日、大好きなお菓子づくりをして暮らす母親。
そんな母親に愛されて、毎日大好きな本を読み日々を暮らす白雪。

何一つ、波風の立たない穏やかな湖面のような日々。
それは、鏡が映した彼の願望、彼の夢でした。

「鏡よ、鏡。鏡さん」
そう唱えて、目を瞑って。
彼が目を逸らした現実。
それは、饐えた臭いでむせ返る、ゴミだらけの小さな小屋のような家と、蛆がたかり醜く変色した母親、そして鏡にうつる、垢まみれで薄汚れた自分の姿でした。

ここでは、何故母親が死んだのかについては一切明かされていません。
母親は、白雪が彼女の言いつけを破ったある日(ここについてもこの物語の中ではぼかされています)、彼が家に帰ると冷たくなっていました。

彼はその瞬間に、それを自らの罪だととらえます。
自分が言うことを聞かなかったから、母親は死んだ。
母親は死んでしまった。
死を目の当たりにした恐怖に泣き叫んだあと、緩やかに腐敗していく母親を眺めていくうちに、彼の頭は理解するのをやめ、心は感じるのをやめ、やがて現実を受け入れることをやめました。
「鏡よ、鏡、鏡さん」
そんな時、湖のほとりで出会ったのが有栖百合花の兄、有栖諒士その人でした。
それが、彼の後の運命を大きく変えたのです。

なんて、恐ろしい。
白雪の抱えてきたものの恐ろしさには絶句しました。
ここまでになってもなお、すでに人の姿ではなくなってもなお。
親というのはここまで子供を縛る存在なのかと思うと、ぞっとしました。

おそらく、たまに家を抜けて湖面へ向かい身体を洗うのは、無意識の生存、防衛本能、他者に自分を認識して欲しいという願望の表れでもあると思うのです。
でも、本人にその意図はない。

食べたがらない。何も望まない。学校にもいっていない。
明らかに普通の家出少年ではない彼に、慎重に、でも遠慮のない、気を使わせないくだけた言葉で踏み込んでいく猟師さんはものすごくカッコよかった。
どれだけ拒絶されても、絶対に「食べ物」を持たせる猟師さんが、きっとすぐにわかったハズの謎解きの解答を引き延ばして、彼の様子を見守る口実を作っていた猟師さんが、白雪が自分に心を開くのを待ち続けている姿は、まさに薄氷の上を歩くようで思わず吐きそうになりました。

そして、彼との出会いが「有栖百合花」との出会いへと繋がっていくわけですが……。


★「お前さえいなければ」

この物語が他の、シンデレラやグレーテルなどの物語と一線をひいたものになっているのは、おそらく彼だけが「自分の正体」に気づいているからなのだと思います。
彼だけは「自分のあり方」に違和感を抱いている。

彼は、この物語は「夢」なのだという自覚があります。
Who dreamed it?
この問いに答えられるのはおそらく白雪と魔法使いだけ、なんですかね?
たぶん、そうじゃないかな……。

彼の中で「有栖百合花」は、ある意味で偶像でした。
偶然出会った療士、有栖諒士が持ってきた写真の中で笑うお姫様のような女の子。
白雪は彼女に「実際」にあったことがありません。
なのに、彼の目の前に現れた。
しかも、自分が想像していた有栖百合花像とはかけ離れた、豪快で肉食なお姫様が。
そのことにより、白雪は自らに何が起こっているのかを漠然と悟っているのですよね。

百合花の介入によって「鏡よ鏡、鏡さん」の効力がひとつ、ひとつ失われていく。
彼が作り上げた理想の世界が、閉じられた、凪いだ世界が瓦解していきます。
それが、百合花と母親の邂逅から始まってしまうところが素晴らしかった。
腐ったアップルパイと、蛾に変身する髪飾り。
その「白雪の鏡の世界」を崩すモチーフがなんとも気持ち悪く、絶妙でした。

この物語の中で彼女だけは白雪の創造物ではなかった。
そのことが何を示すのか。
彼女が「自分」を救うためにここにいるのだということに気づいてしまうんですよね。
彼女にとっての王子様は誰なのか。
自分のことを「アリス」と呼んだ母親の言葉を思い出し、鏡に映った美しい髪色をした「誰か」を思い出し――彼は叫びます。

お前さえいなければ。

ここを自殺願望ととるのか、また別の……ととるのかは、個人的な解釈によって分かれそうですね。


★本当の「僕」の夢の中で、夢を見る

白雪の物語は、本当に、雪のように儚いものでした。
白雪は、本当の「僕」の夢の中で、「夢」を見ていたことに気づきます。
本当の「僕」の中の、深い、深いところ。
白雪はずっと、美しいけれども何も生まれない夢を見ていました。
そこに憧れの「お姫様」が現れて、鏡の魔法を解いてしまいます。
彼は彼女が「僕」のためにここにやってきたことを知っています。
それを知った上で、彼は彼女の手を取り、彼だけの有栖百合花と共に夢の中でハッピーエンドを続けるのです。

もう、敢えて本当の「僕」とは何か、をスルーした状態でいきますね。

白雪は、すべてを理解した上で「夢を見続ける」ことを選択します。
本当の「僕」の中で。

お前は悪夢から抜け出したんだよ。
そう優しく諭す諒士が、「現実の諒士」ではないことに。
あなたとの想い出を共有した私です。
そう笑う百合花が、「現実の百合花」ではないことに。

夢は覚めるもの。
そして、夢からは覚めなくてはならないもの。
そう、わかってはいるものの、ちくりと胸に痛みを覚えながらも、どこかほっとしてしまうんです。
この結末に甘んじることの意味を漠然と感じると、おとぎ話のような夢の続きを信じて歩き出す2人は
ものすごく切なくて儚い。

「俺は夢から覚めても君の傍にいて、君のことを好きになるよ」
この言葉の意味を、ep3すべてが終わってから読み返すと、涙があふれますね。
彼がどんな気持ちでこの言葉を言ったのか。
夢から覚めると消えてしまう「俺だけの有栖百合花」に対して。

もう、白雪のことを想うと、私は、心が、痛いです……。


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よもぎ

あかりさんお久しぶりです!
ここのところ忙しくてプレイできていなかったのですが、今日ようやく白雪ルートを終えました…!笑

対アリのストーリーは毎回とても複雑で、頭の固い私では深くまで理解するのになかなか時間がかかるのですが、白雪のエピソードは、なんだか、これまでに無いくらい難しく感じました( ´△`)
わかるような、わからないような…。
そういう時あかりさんの感想を見させて頂くと「おおっ!」となるので本当にありがたいです(笑)

私の中で、今回のエピソードで謎だったのがアリス君なんですが、アリス君は一体どういう立ち位置だったのでしょうか?
これは、アリス編をプレイしたらわかるのかしら…(._.)

次の魔法使いルートも本当に楽しみです!
あ、でも終わりが近づいているようで悲しいですね…(;-;)

またご感想読ませてください!
ありがとうございました(*^^*)
by よもぎ (2016-07-08 20:29) 

あかり

>よもぎさん

お久しぶりですー!
暑い中お疲れ様です……!!お身体壊されないように気を付けてくださいね!

そして、白雪くんまで、ついに……!こちらもお疲れ様です!!!!

白雪エピソードは、おそらくアリス編までプレイしてからもう一度プレイすると、ものすっごくよくわかるお話となっているので、今の時点では、その「???」の感じが正解だと思います(^^)
私の感想がそんな中で役立っているのなら……!!嬉しいです!!!ブロガー冥利につきるってもんです!こちらこそいつもこうして感想くださってありがとうございます(^^)

アリスの立ち位置に関して明かされるのは、エピローグなのでもうちょいおまちください♡魔法使い編でだいたいわかりますが……!個人的な感触になりますが、ep3が間違いなくこの物語のクライマックスなので、ぜひぜひ楽しんでくださいね!

また、魔法使いさんの感想、楽しみに私もお待ちしてます♡
ぜひお時間ある時にでもお話しにきてくださいね!
ではでは♡

こちらこそ、ありがとうございました(^^)

by あかり (2016-07-10 10:06) 

えれなん

こんにちは! またまたお邪魔させていただきます!
白雪くん、やっと攻略できました!

対アリは一ルートするだけでもかなり疲れますよね…。
特に白雪くんは私もきつかったです汗
私はこのお話の内容は分かっているので、回想で混乱することはなかったのですが、母親が白雪に「この赤い上着はどうしたの!」と問い詰めているシーンを見たときは、何故か胸が痛くなりました。それは赤ずきんさんが身に着けていたものですし、白雪が知らないのも当たり前なんですけれど。


驚いたのは、母親の白雪に対する態度の変わりようです。
あんなに冷たく当たるとは思ってもいなかったので……。
黒くなった髪を見たときは、白雪姫を思わず連想してしまいました。

乙女ゲームで、これほどまでに違和感や気味悪さを感じたのは初めてです。
特に母親が登場したところから、既視感があって気持ち悪くて吐きそうになりました。死体と暮らしているとか、そういうのも含めて。
四人の兄弟(特に赤ずきんさん)の存在は癒しです。



あっ、所でツイッタ―で仰っていたオトレコのCDというのはどれのことでしょうか…?
良かったら教えていただけると嬉しいです。
これからも、あかりさんのブログを楽しみにしています!
by えれなん (2016-07-12 22:39) 

あかり

>えれなんさん

こんにちは!いらっしゃいませ!お疲れ様です(^^)

そうですね、対アリは体力消耗しますよね……www
わかります……!

白雪と赤ずきんの関係性もまた、なんとも切ないですよね。
たぶん「本当の彼」の心境を一番理解してあげられるのも白雪ちゃんなような気がします。だからこそこの結末に甘んじてあげたくもあり、そんな自分に嫌気がさしてくるのもある、というような……。
赤ずきんさんは結構罪な男なんですよね(笑)
でも、その愚直さがとても可愛らしいというか……!!

死神と少女もなのですが、藤文さんの母親の描き方はいつもこういう怖さがあります(笑)
親というよりかは、ひとりの女として描かれているので、私はとても好きですね。
こわいけどwww
きっとえれなんさんの世代からすると、親は親であって、それ以上の何物でもないかもしれないのですが、親にも少女時代があって、なんらそこから変わってない、というか変わりきれなかった部分を抱えて生きているところもあると思うので、そういうところが表現されているのはやっぱり面白いですね。

えっとね、Twitterでつぶやいてたのは、もんだいフード☆モンスターズっていうシリーズですよ!ちょっと頭おかしい感じでした(笑)
また感想かきますね!
こちらこそ、いつもいつもありがとうございます(^^)
epilogueまで頑張ってください!


by あかり (2016-07-14 08:34) 

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