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図書室のネヴァジスタ 辻村煉慈ルート感想 [図書室のネヴァジスタ]







ネヴァジスタ、ボーナストラックまですべてようやくフルコンプです!

チャプターコンプリートまで必須とは思わず……(笑)
しかし、ベストな選択肢以外にもいろいろとネタが仕込まれていて、回収してよかったです!うん!


いやー、面白かったです。
ミステリとしての出来はそこそこ(紐付けが若干弱い)かもしれませんが、ストーリーテリング(と表現するのが正しいのかはわかりませんが)が巧みです。ルート始まりのつかみであったり、シーン倒置、W主人公で時間軸の差異を出して話を進めていく手法も、ものすごくうまいなと思いました。

でも、なによりも、台詞や情景描写、心理描写に至るまで。
とにかく、言葉のチョイスがすごく素敵な作品だったと思います。

カッコつけすぎず、無難すぎず。
くすりと笑えるほど、おどけてみせたりもする彼ら。
かと思えば、繊細な単語が飛び出したり、瞬時に泣き出してしまうほど胸をえぐる一文が出てきたり、と。
そうして彼らが語る言葉に自分の感情を委ねるのがとても心地よかったです。

コンプするのに結構時間もかかるし(精神的にもボリューム的にも)、非常にかみごたえのある作品でしたね。

ルート的に好きなのは、茅、辻村かな。
キャラ的に好きなのはやっぱり、賢太郎ですね。あ、犬じゃない方w

かっこいい。
普通に付き合いたい。
さすが、合コンで黙ってれば、女から腕を組んでくると豪語する男wwww


ようやく萌えをね。
感じられる境地にまで回復してきました(笑)


それでは、最後!
辻村煉慈、ネタバレ感想です!






<感情のままの感想>


煉慈センセルートにして初めて。
この作品に萌えを発見しました。


……というのは、おそらくだいぶネヴァジスタ耐性がついてたからなんだろうなと思います。
あと、キャラ的に好み?(笑)
ジャイアンでインテリとか、たまんない。
それでいて、心はガラス細工のように、繊細……!!!

というわけなので、茅ルートの真エンドより、相当泣きました(笑)

単純に煉慈が死ぬことが悲しかったからですね!!
ええ!なんで死ななきゃならんの……!
不器用だっただけじゃないか……(号泣)

会話、というより、対話の仕方を知らない煉慈が、それを槙原先生から教わっていく過程を描いたシーンの数々が、優しくて優しくてちょっと泣けました。
煉慈が女の子だったらこんな風にされると間違いなく、槙原先生に恋しちゃう。
一番初心で、恋に奥手そうな煉慈が、意外にも一番、どこか恋愛めいた感情で自分の価値を認めていくかのようなルートだったので、びっくりしてしまいましたね。

……というかどきどきしました(笑)

槙原先生が危篤状態時の、あの辻村のベッドサイドに縋り付くようにして回復を祈り、謝罪を繰り返す様はまさに、恋する少女のようでしたもん……。
そんなところがすごく愛おしい煉慈先生です。
父親の気をひくため半分で、後妻を寝取るような先生……ほんと、なんか、乙女!(あれ)

もちろん、締切前の髪を下したセンセイもかーわいい♪


えー。

「ネヴァジスタ」の謎、すべての始まりが一気に解けるこのルート。
大概そういうルートは本人のことがおざなりになりがちですが、しっかり絡めてきて、着地させたことに関してはやっぱり素晴らしいですね。

でも、これ若干、辻村一番にやっちゃったら、なんか拍子抜けしちゃうんじゃないかしら……と思ったのも正直なところですね。
この謎をそれぞれに分担できなかったのかなあ……とも思ったのですが、誠二の父親が辻村一であること、ネヴァジスタの訳者が辻村吾郎であることを考えると、無理かな。やっぱり。

なんとなく。
なんとなくですが、というか、私が大人だからなのでしょうか。
吾郎さんを責めたくないですね。
責めたくない。
神波に唆されたとかはどうでもよくてですね、正直者がバカを見る世の中なのが悪いのです。ただ、それだけのことのような気がしますね。
飲酒運転は確かによくない、でももう十分彼は苦しんでいると思うのです。

それよりもどちらかというと罪は、辻村パパの方が重いような気がします。
神波先生との過ちを引きずるのは個人の勝手だと思うのですが、子供を巻き込まないであげてほしい。誠二、煉慈、二人ともね。まあそんなこといったら、話の根底からおかしくなるわけですが!

あと、地味に気に入らなかったのは、辻村一の意識が奇跡のようなタイミングで回復するところですね(笑)個人的に、ここは昏睡したままでも、少し痛みが残る感じでよかったんじゃないかなとは思います。それこそ、父のNEVERSISTAとの対話で完結もよかったような。

でも煉慈の場合、「お父さん」との対話がもっともキーなので、うん、やっぱりアレかな。
と、納得はしているのでした。



<クールダウン後の感想>


さすが作家センセイのルート。
登場人物それぞれの物語が交錯しながらすべての始まりにじわじわ迫っていくところはとても、らしかったですね。
単にそれが、槙原先生や賢太郎という異分子が混ざったことによって生じた亀裂から不可抗力で明かされてしまう、というのではなく、神波に翻弄される部分もあるけれども、そこを含めてきちんと辻村自身が考えて、NEVERSISTAに隠された謎をひも解こうと必死なところがとても好感が持てました。

行方不明の古川からのメールは、実は辻村が打っていた、という事実をプレイヤーに明かすタイミングも絶妙だったなと思います。

こうして「他人を騙る」というところがものすごく、煉慈らしかった。
古川と自分を重ねながら、声にだす言葉でなく、文字ならば素直に表現できる。
そんなところがものすごくいじらしかったですね。
父の背中、叔父の姿を見て、育った煉慈。
物語を書くことで必死に彼らと、彼なりにコミュニケーションをとり、人間関係を築こうとしてきた彼らしいアプローチでした。

そのアプローチの仕方に危うさを感じたからこそ、槙原が辻村に対して踏み込んでいったわけで、そういったルート全体の流れもナチュラルで素敵だなと思いました。

余談ですが。
ハルたんを「ツンデレ」だという煉慈先生には笑いました(笑)
ハルたんと同じタイミングでツッコミましたもん。

そりゃああんただよwwwww


・2冊のネヴァジスタ

「複数冊あること」「物語の中身がどれも違うこと」という伏線をほとんどのルートで張ってあったにも関わらず。まさか今まで散々主人公たちを引っ掻き回してきたNeversistaとは別に、辻村一が書いたNEVERSISTAがあるとは思いもしませんでした。
いつの間にか、「なぜ複数冊ネヴァジスタというタイトルの本があるという七不思議が存在するか」という謎から、プレイヤーの目は逸らされているんですよね。御影清史郎が紡ぎ、辻村吾郎が訳したNeversistaに隠された謎ばかりに夢中になってしまって。
そういうところが、非常に上手だなと感じました。

辻村一がNEVERSISTAを、神波先生との間に生まれた息子、神波誠二に当てたのは、罪の意識からでしょうか。告解室で懺悔をするような気持ちだったのでしょうか。
そうでなければ「レイプされた女教師」という表現は用いないかもしれないなと個人的には思いました。
また複数冊ネヴァジスタという物語を書いていわゆる「本物」をカムフラージュしたことについても考察をするならば、やはり罪を書き綴り吐き出したいという気持ちと同じ強さで、それを隠してしまいたいという気持ちもあったんじゃないかな、と私なんかは想像します。

それは、辻村一をはじめ、茅や白峰の父たちが、故意にではないにしろ間接的に大澤先生を死なせてしまったことに強い罪悪感を覚えつつも、それをひた隠しにして生きてきたことと似ていますね。

しかし、若干私がよくわかっていないのは、この「NEVERSISTA」と「Neversista」の間にあるつながりです。清史郎がネヴァジスタと、学園七不思議をもじってタイトルをつけたのか、それとも辻村吾郎の、兄、そしてその息子に対する思いからなのか。
煉慈だけが偽名ではなく「ひとごろしのレンジ」と章をつけられているところ、「くちだけおばけのジャック」のラストシーンを見ると、吾郎の複雑な悪意は感じられますが……うーむ。


・「勝ち」と「価値」

非常に勝つことにこだわる煉慈。
負けず嫌いというだけではすまされない。
どんなことに関しても勝たなければ、立派でいなければ、相手にいうことをきいてもらえないと半ば病的に思っているので、たとえ悲しくても辛くても、虚勢を張り続ける。
そうして誰からもバカにされないように生きてきたんですね。

煉慈の悲しいところは、「相手にいうことをきいてもらえないことが悲しくて辛いから、一生懸命強くあろうとする」という大前提が間違っているところにあります。
それを雨の中、優しく彼の曇った心を洗い流すようにして諭す槙原先生の、あのシーンはとても素敵でした。

煉慈は相手にいうことをきいてもらいたいわけじゃない。
ただ、ひとりでいたくないだけ。
弱さを見せることで、自分の価値がなくなってしまう。
そうして失望されたら、誰も周りからいなくなってしまう。
だから、必死で攻撃的な物言いで、その弱さ、辛さ、醜さ、悲しさ、寂しさを隠そうとする。

本当は逆なんですけどね。
しかし、そういう「相手の立場に立って気持ちを想像しながらコミュニケーションをとる方法」を教わってこなかった彼にはわからない。
そういう性質に、父の背中とひとり相撲と取り続けてきた煉慈の過去が生きていて秀逸だなと思いました。
誰に対しても何も探らせない、心に触れさせない。
言わば絶対君主制の王様のようにふるまってしまえば、逆に周りの心は離れていく。
それに対して戸惑いつつも、やはり「戸惑う」そぶりはみせない……という悪循環。

本当に、春人と対極にいるキャラクターだなあと思いましたね。

こんな煉慈の不器用さが、作風にも表れているところがきちんと補足されていたのもよかったです。
登場人物描写が薄い、というのは頷ける。
そしてなんとなくこの表現から、煉慈先生が作家生命存続の壁にぶち当たっていて、プライベートでも仕事でも結構ぎりぎりなところが伺えて、そういった、なんというか煉慈が内に抱えている「失った記憶」という爆弾のタイムリミット的なものを感じさせてよかったです。


・そして誰もいなくなった


ひとり、そしてまたひとりと、幽霊棟を去っていき、取り残されていく煉慈。
王様が砦をひとつひとつ潰されていき、それでも倒される恐怖を隠して二本足で立ち続けているような感じがとても印象に残っています。最後の最後に、槙原が残り、さらに辻村は依存、古川の再来か、という展開なのかなと思いきや、吾郎の真実を知り、さらに槙原は岡崎の車に轢かれた上監禁、傷つけられ危篤状態、最後に残るのは、監禁していた賢太郎、というのが、なんとも皮肉でしたね。

このルート、賢太郎が非常に客観的に物語を静観している立ち位置なのは、「辻村父のネヴァジスタ」の内容を煉慈に語る、というポジションが必要だったためだったんだなあと妙に納得させられました。
この内容、賢太郎以外の、誰から語られても、なんかしっくりこないんですよね。
いろいろ想像してみたんですが。
槙原先生も可能ではあるとは思うのですが、あの人は部外者なのに「客観的に語ることができない」タイプだから余計にこんがらがっちゃいそうですもんね。
いくら英語が堪能であっても、です。

こつこつ、こつこつ。
賢太郎が辞書をひきつつ、辻村父のネヴァジスタの読解をすすめていくと同時に、煉慈は叔父が訳したネヴァジスタの背景にあるものに翻弄されてだんだんと孤立していきます。
その対比が面白かったです。とっても。

また、辻村父のネヴァジスタが、煉慈自身ではなく、主に神波誠二の「呪いを解く」鍵だったというところも、まさかここにつながるとはと、とても衝撃的でした。
悪意のある描写、物語ばかりの印象が強くなりがちな「図書室のネヴァジスタ」ですが、こういう点と点のつなぎ方の意外性もなかなかで、やはり巧いなあと唸ってしまうのでした。




全部まるっとプレイして思うのですが。
一番ミステリアスなのは、清史郎ですね。
彼は個別真エンドを見るに、ただ、純粋なだけの少年じゃないと思うのです。
いや、違うかな。
純粋だからこそ、彼はつまらない大人になりたくなかった、親友たちにもなってほしくないのだと願ったのでしょうか。
古川の死を目撃して、古川の人生を彼なりに見つめて。
彼が迎えた結末こそが「真」だと。
このまま大人になりいろんな悲しみに、罪に目を瞑って生きていくことが「偽」なのだと。
そう、本気で、思ったのでしょうか。

雲一つない真っ青な空が、少し吸い込まれそうで怖いと感じるように。
清史郎もそういう、怖さを持っているような気がしますね。




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