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月影の鎖-錯乱パラノイア- 猪口渉感想 [月影の鎖-錯乱パラノイア-]



うーん。うーん。

なかなか今回のタクヨーさんの作品、気持ちわるーい感じですね(笑)

いや、面白くないわけではないのですが。
榛名、猪口と終わって、いったいこの気持ちをなんと形容すればいいのやら。
と考えた時に、出てくるのはなんか気持ち悪いなーって感じですね。

もやもや、残るって感じのね。

ただ、いいたいこと。
やりたいことは、すごくわかるんですけどね……。

それでは猪口さん感想いきたいと思います!







猪口さんとの恋愛山場がないですね(笑)
それが一番、ひっかかりました。


穏やかな月の光のような彼ですから……。
本当になんというか、優しい理想を語る、ある意味、人間の「光の面」を集めたかのようなお人でした。

差別のない、人と人が手を取り合って生きる社会を作りたい。

めぐみちゃんも、そして榛名くんもいうように、私もまた甘い理想だと思います。

世界中をそんな世界に、とまでは望んでない。
この小さな島というコミュニティだけでも。

……と、望む渉さんの背中に、そっと手をかけたくなる気持ちはわからないでもないのですが。

しかし、渉さん。
理想は確固たるものなのかもしれませんが、あまりに……おぼっちゃんな軍人さんです。


どれだけ没落した、村八分された家でも、名家は名家。

育ちのよさからくる、物腰の柔らかさですね。
あと、物分りのよさ、かな。
いい意味でも、悪い意味でも、です。

村八分にされても生きていけるだけの資本があり、力がある。
だって、いくら子供(この場合、渉さんの父親ですね)を勘当しても、ゆくゆくの跡取り孫を、軍人さんに立派に育て、異国人の嫁の血を引いているとはいえ、その腹違いの弟ノアには、島を出て立派生きていけるようにしっかり勉強させている。
この時代でも、きっと勉強は裏切らないですからね、人と違って。

そうして、ちゃんと。
子供たちだけでも、どうやったらいつか(島の外で)「自由」を勝ち取れるか、わかってる。
そんな家なんですよ。

でも、もちろん、差別されるのは悲しい。悔しい。
島で誰ひとりとしていざというときに助けてはくれない。
道を歩けば、異国人だと石を投げられる。
それは確かに、苦しく、つらい出来事です。


それでも、島で生きていけないことは、ないんです。
何かあれば、本土へいく船があり、島から一歩出れば彼らはふつうに扱われるのですから。

まあ、そうだとしても、ひどいことなんですけどね。

はっきりいって、猪口家はなにも悪くはありませんし。

猪口の家に突如、異国人のお嫁さんがやってきて、さらにはその身ごもった彼女を置いてどこかへいってしまった父親(これの謎はどこかで解けるのでしょうか?)のせいで、結局、猪口家直系当主が亡くなった後、家長を継いだのが、この異国人のお嫁さんだったんです。
名家である猪口家は、島でも発言権は強い。
なのに、どこの馬の骨ともわからない外人の女が、強大の権力を握ることになるというこの状況に、恐怖を覚えた島民たちが、根も葉もないうわさを流して、猪口家を村八分に追い込んだ。

そういう過去のせいでなのですが。

ええっと……。
何がいいたいかというとですね。

本土の学校に通い、島を長期間離れていた渉さんは、彼がめぐみちゃんと深くかかわり、大井川家(めぐみとその兄)までもを村八分に巻き込んで、初めて、自分の家が村八分にあっている事実、そしてその理由を知るんです。

……これは、彼自身の甘さだとは思いませんか?

ノアがいじめられているのを知っていて。
そのために、夜にしか散歩にも連れていけない悲しさも知っていて。
母親が島で孤立しているのも知っていて。

島中全員が、村八分という事実を知っているのに、その家の息子が知らないなんて。
それは、彼自身が、あまりにものんきだからではないかな、と私なんかは思ってしまいました。

いくら最近、島に仕事で帰ってきたからとはいえ。
……のんきというか、おめでたいというか……。

でも。それに気づかないほどの、純粋な心を持つ彼だからこそ。
人を疑うことを。
軽んじることを知らない彼だからこそ。

あれほどまでにまばゆい理想を語り、友達である望に「軍人として、渉は人を守れているのか?(いや、守れてはいない)」と言われて、初めて、自分の軍人としての在り方について考え直すのです。

最終的に彼のルートは、今回の駐屯地誘致計画は、武器商人の裏の顔を持つ深海と、軍拡主義の猪口さんの上司との利害の一致における共謀だということが発覚するのですが。

そのシーンででも、あまりにも彼は「軍人」として。
いろんなことを考えてこずに生きてきたんだなということが露呈しています。

私はもちろん、軍人のなんたるかを知りませんが……、あまりに軍人に向いてない人ですね。


純愛ED。

こちらは、共謀を担ぐ片翼を落とす、というわけで、狙いにくい深海よりも、猪口の上官をターゲットにし、彼の口から「誘致を受け入れたら国の交付金がおりるなんて真っ赤なウソ」ということを吐かせる作戦に、青年団、榛名、猪口、めぐみ、兄全員でのぞみます。

成功後、青年団団長である神楽坂さんが、猪口以下全員の功績をたたえるのですが、やはり差別の根は深く、猪口家に対しての仕打ちは何もかわりません。

しかし、猪口家の現当主であるエレン(異国人のお嫁さん)が、集会で家長を渉に譲ると宣言。

その時も、住民たちは渉以外全員出ていけ、ついでに大井川家も出ていけ、と言われるのですが、市長の発言、島の有力者たち、また花柳街の女将までもが、猪口家をぞくぞくと擁護し、村八分をこの代で解かれることになります。

そして、猪口は市長の座を打診され、軍人をやめて、島の人のために生きていくことを誓う、というEDです。


……。

はっ!
沈黙してしまったwww

えーっと。

なによりも、私は胸打たれたのは……渉さんではなく、エレンさんです。

渉さんが成人し、この島に残るという決断をした時に、家長の座を譲ってやってほしい。
それは、前家長の遺言でした。

勘当した息子の子供に対する遺言がこれです。
そして、その遺言のため、どれだけ非難されようと。
生きにくかろうと。
自分の地元でなかろうと。
夫がいなかろうと。
渉が自分の子でもないのに。

耐えて耐えて耐えて耐えて。
耐え忍んで、この「猪口家」の財産と家を守り抜いてきたのは、彼女です。

逃げ出してしまおうと考えた夜もあったでしょう。
死んでしまおうかと思ったほど、悲しいこともあったでしょう。
でも、この時まで。
渉に「家」を渡す、この時まで守り抜いた、その強さ。

どうしてそのことに渉は涙を流して感謝しないのだろう、と疑問に思うほどです。

差別問題が解決する、しないに意識を取られがちなのですが。
猪口エレンの「家を守る」ということ、と冬浦めぐみの「店を守る」ことが、どこかつながると思うんですよね。

だからこそ、ここはもうちょっと渉さんに感じてほしかったです。
自分が家長になること、市長になることの戸惑いや決意なんかよりも、ずっと。

個人的にはね……。

てか市長、責任とって辞任します、あとは猪口くんよろしくね☆

って……そりゃないぜwwww


依存ED。

こちらは……「軍人としての猪口渉」を守りたくて、彼の上司を糾弾することを忌避し、ターゲットを深海にしたばっかりに、全員で罠にかかり、最後はキレためぐみちゃんが深海を、深海の拳銃で撃ち殺してしまう、というEDです。

私としては、めぐみちゃんのこめかみに、深海が拳銃をつきつけたその時に。
めぐみちゃんに、死んでほしかったです。

深海を「殺人犯」に仕立て上げてほしかった。
自分の命を賭けて。
そして、猪口は、彼女の死の代わりに、軍人として手柄を立てるんです。

あ。
まあそれなら依存じゃないかwwww

うーん、これで二人して逃亡、っていうのはなんかなぁぁぁ、って思いましたね。
不完全燃焼といいますか。


で。
私、ここまで恋愛シーンについてまったく触れてこなかったんですが。

お気に入りのシーンがひとつだけあります。



めぐみちゃんが、花柳街で上司のお酌をする役目に決定した時に。
そのことに対してなにもないのか、とめぐみちゃんが聞いた時の、あの。

「不必要なことをたくさんお前に聞いてほしくなってしまう」
「だから、今は。……言えずにすまない」

という、この言葉がきゅんと来ました。

「答えられない」答えをいただけてうれしいです、と返すめぐみちゃんも素敵です。

スチルもなんもないシーンですけど、好きですね。

こういうなんとも、綺麗なダイアローグがあるから、月影の鎖はちょっとイイな、と思うのです。


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